① 位置情報等に間違いや経年変化が生じている可能性があります
位置情報は細心の注意を払いながら拾っていますが、膨大な件数があるため、どうしても全体では数%前後の間違いが推定されます。また調査時は正しくても時間経過によって現地状況が変わる可能性もあります。最悪のケースでは、まるで的外れな場所に案内された…なんてことも絶対にないとは断言できません。またマップコード入力によるナビでは、利用者ご自身による単純な入力ミスも予想されます。そのためナビ設定時には、地図を拡大するなどして、念のため位置情報が正しいかどうか、必ずご確認下さい。間違いに気づかれた場合は、メールでご指摘頂けると助かります。
② 電波状況次第でGPS受信機にズレが生じることがあります
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スマホなどのGPS受信機における現在地の表示ズレは、昔と比べれば、かなり改善されていますが、それでも受信機自体の性能や環境条件によってはズレも発生します。その場合は位置情報自体が正しくても現地で迷う可能性もあります。精度が高く、渓谷や森の中でも電波を受信しやすい日本版GPS衛星みちびき対応受信機のご利用をお勧めします。
←GPS衛星の電波が弱くて「精度:低」と表示されたスマホ画面
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③ 駐車場や駐車スペースが「登山者利用不可」に変わっていることも
トレナビで紹介する駐車場や駐車スペースは、なるべく登山者の利用可否にも留意した上で拾っています。公共施設の駐車場だからといって、必ずしも登山者の利用可ではありません。微妙なところは、過去の調査において施設等に問い合わせるなどして「登山者の利用可」を確認していますが、中にはその後、「登山者の利用不可」と対応が変わっていることがあるかもしれません。逆に「登山者利用不可の駐車場」アイコンがあっても、管理している人の姿勢はいろいろです。「とにかく一切認めない」場合もあれば、お願いしてみると「1台だけならいいですよ」と認めて頂ける場合もあるかもしれません。トレナビに掲載されている駐車場や駐車スペースであっても、特記事項で「登山者の駐車可否不明」としていることもありますし、どんな場合でも施設に確認してから利用される方が無難です。駐車スペースでも、現地に行かれて微妙な印象を持たれた際は、地元の人に確認して下さい。また大都市圏周辺の、特に幹線道路沿いの駐車スペースは、以前は駐車可だったのに、その後利用できなくなった例が時々ありますので、ご注意ください。
④ 現地のネット環境に注意し、オフラインマップも利用しましょう
山岳地では、スマホがネットにつながるオンライン環境にあるとは限りません。オンラインでは、ナビ設定が可能でも、オフラインであればナビ設定はできません。つまりオフライン下では、GPS衛星の電波を受信することはできても、その場所に行くまでの地図データを得られないので、経路検索や地図表示ができないからです。Google
Mapでは、オンラインでナヒ設定しさえすれば、たとえオフラインの場所を目的地にしても自動で地図データをダウンロードしてナビしてくれます。そのためにはグーグルアカウントでログインして、オフライン設定をしておく必要があります。
Google Map検索窓の右側の丸いアイコンをタップして「オフラインマップ」を選択。続く歯車アイコンをタップして、「オフラインマップを自動更新する」と「おすすめの地図を自動ダウンロードする」をオンにしておきます。ただ、それでも現地で目的地を変更した場合は経路検索ができません。その可能性がありそうな時は、あらかじめオンラインの場所でオフラインマップをダウンロードしておきましょう。目的地を地図表示させたら、下の緯度経度や「概要」「写真」などが載っている部分を上にスクロールします。すると右上に3つの点のアイコンが出てきますので、これをタップし「オフラインマップをダウンロードする」をさらにタップします。「この地域の地図を取得しますか?」という画面が出てくるので青枠で範囲を指定し、「ダウンロード」を選択。オフラインマップをダウンロードしておけば、オフラインの場所でも、その地図範囲内での経路検索が可能になります。オフラインマップをダウンロードするまでの仕様は変更される可能性もあります。
⑤ 林道が経路検索の対象外で最後までナビできないことがあります
↑登山口まで点線ループで表示されたスマホのナビ画面 |
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Google Mapやカーナビで経路検索をした際に未舗装林道のような一般的ではない道は対象外であることがあります。その場合、最寄りの地点までの経路のみが表示され、以降は左写真のように点線やループ等の省略表示がされます。「最寄りの地点」が林道入口であれば、まだいいのですが、直線距離が近いだけで、実は尾根を隔てた反対側だったりすることもあります。そこを見落とすと、時間ロスを生みますので、ご注意下さい。ナビ設定された際は最後が点線やループ表示になっていないか、そうでなくても経路自体が適切か、必ずご確認下さい。アクセス中もナビの指示にそのまま従うよりも地図を時々、確認しながら進む方が逆に効率的だったりします。経路検索では短距離になるように経路が選択されがちですが、実は指定された経路は、距離は近いけど狭くて、対向車とのすれ違いが困難な道だったりします。それよりも少し遠回りだけど、片側2車線道路を走る方が快適で、到着時間も1分しか違わなかったりします。そういうことが実際にあるので、経路検索の結果にとらわれず、自分の目で地図を見て、適宜経路を変更しましょう。
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⑥ 未舗装林道が悪路や通行不可ということもあります
↑「全面通行止」看板が立てられた林道入口 |
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トレナビでご案内する登山口は、未舗装林道をアクセスルートとして使うことがよくありますが、路面状況は林道ごとにさまざまです。普段は一般車でも通行可能でも、豪雨や台風、融雪等によって荒れたり、通行止になることもよくあります。また元々、未舗装林道には、舗装道路にはない、さまざまなリスクもありますので、当日の天候や路面状況も勘案した上で、あくまで自己責任で通行するか否かのご判断をして下さい。林道の通行可否は事前に地元役場の農林課や森林管理署などにご確認下さい。どの程度の悪路か知りたい方は、全国登山口調査会がまとめた『登山口情報本』シリーズに路面評価が詳しく書いてあります。 |
また未舗装林道の奥に駐車スペースのアイコン表示があれば、いかにも一般車でも行けそうに感じられますが、必ずしも一般車向きとは限りません。4輪駆動車でしか行けない悪路であっても、その奥に駐車スペースがあれば、駐車スペースのアイコンを貼らざるを得ません。 |
⑦ 現地に行ってみると、登山口らしくないことがあります
登山者用駐車場から登山道がのびているような登山口は、登山口として実にわかりやすいですが、すべての登山口が、そうとは限りません。例えば、市町村道の先でそのまま未舗装林道に接続し、奥に進むに従い、道幅が次第に細くなり、いつの間にか登山道に変わっているようなことだってあります。この場合、市町村道と未舗装林道の境も広義の登山口といえますし、未舗装林道と登山道の境が不明瞭であれば、その途中は、どこであってもある意味、登山口といえます。この例のようにすべての登山口が、必ずしも明瞭とは限りません。現地に行ってみると登山口らしくない可能性があります。
⑧ 地図に間違いがあることもあります
筆者の過去の経験では同じ登山口の位置情報をふたつの地図サイト上に表示させたところ、ある地図では、林道上なのに別の地図では林道から離れた場所を示した例が、実際にありました。おそらくこの例では前者の地図が正しいと考えられますが、全体でいえばケースバイケースで、どの地図サイトにも間違いがある程度の割合で含まれていると認識しておくべきです。そのため位置情報自体は正しくても、示された地図上の位置がズレて見えるケースが現実にあることも知っておいて頂きたいところです。
⑨ 登山口名が聞き慣れないことがあります
トレナビで採用した登山口の名称は、「これこそが正しい登山口名ですよ」と宣言しているわけでもなんでもなくて、ほかの登山口と便宜上区別するための、タダの記号みたいなものとして使っています。「○○登山口」という固有名に慣れている人からすると、違和感を覚えられるかもしれませんが、山岳地の地名は、例えば山名にも別名がよくあるように、本来、割といろいろな呼び方がされていることが多いのが現状です。その中には最も適切といえる名称があるかもしれませんが、ひとつひとつの登山口で、それを丁寧に調べていたら10年かけてもトレナビはできません。もっと適切な名称があるかもしれないけど、大字名や小字名、あるいは最寄りの施設名等を使って「とりあえずはこう呼ぶことにするよ」くらいの意味しかありません。「地元では、この名称の方が通りがいい」といったことがもしあれば、メールで教えて下さい。修正するか否かは個別に判断します。
ただ、実際はその地元にも別の名称こそが正しいと思っている人もいたりして、どれが本当に適切な名称か、判断がつかないこともあったりします。みなさん「自分は地元の人間だから、自分の認識こそ正しい」と思いがちなわけですが、例えば郷土史のような地域の歴史や地名に詳しい人に見解を問うと、全然違うことをいわれる可能性がゼロとは思えません。また地元でもA地区では○○と呼んでいるが、隣のB地区では△△と呼んでいる…なんてことが現実にあったりします。適切な名称といっても、地元の人にしかわからない古くからある小字名を冠した名称が、仮に過去の経緯から見ても最も適切だったとしても、それよりもどの地図にも記載がある大字名や最寄りの施設名の方が、地元以外からやってくる一般登山者には逆にわかりやすかったりします。どれが最も適切な名称といえるのか、というのは利便性とも関わってくるので、必ずしも地元で呼ばれている名称こそがベストとは限りません。
⑩ 地名の読みが間違っていることがあるかもしれません
地名の読みは、なるべく正しい読みを採用できるようにいろいろ調べていますが、ネット上でも複数の読み方が混在していたり、そもそも大字名は読み方が掲載されていても小字名はないことが多く、わからないこともあります。少ないですが、ありがちな小字名で、その漢字の読み方そのままに「おそらくこうだろう」と仮に読みとして採用している場合も中にはあります。実際は、ありがちな読みではなく、まったく違う読み方というのも時々ありますから、それが間違っている可能性もないとはいえません。一部は、行政などに確認して正しい読み方を入れてありますが、ネット上でわからなかった、すべての地名で同じ対応をするのは困難です。間違いに気づかれた場合は、メールで教えて下さい。
⑪ 最寄りの山の登山口として掲載しています
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左図のように山と登山口の関係は1対1ではありません。登山口の先に複数の山があることもよくあることです。単独峰であれば、対応も割と簡単なのですが、[例1]、[例2]のように複数のピークが登山道で結ばれている場合。どの山の登山口にするかというのは、悩ましい問題です。そこでトレナビでは、基本的には最寄りの山の登山口として掲載することが多くなっています。つまり[例1]の場合は、B山・C登山口、[例2]の場合は、E山・F登山口として掲載するわけですが、B山やE山が明らかにマイナーだと、A山やD山の登山口にしていることも時々あります。 |
結局、どの方法が最も利用者にとって便利かというのは、どちらの山を目指す登山者が多いか、という視点とも絡んできます。しかし、すべての登山口で、これを正しく判断するのは不可能です。有名な山では、登山口との間に複数のピークがあったとしても、あくまで有名な山の登山口として掲載するように心がけていますが、全国規模で見ると微妙な例も実は多いです。[例1]では、確かにA山の方が有名だが、B山もそこそこ人気があって、A山、B山、あるいは両方を目指す登山者がそれぞれ3分の1ずつくらいいるような場合は、どちらかの山の登山口として掲載しても誰もが納得する結果にはなりません。しかも、全国すべての山の現地事情を把握するのも無理な話です。従って、[例2]のD山に行こうと考えた利用者が「D山・F登山口」を探したところ、トレナビでは「E山・F登山口」として載っていた…なんてことも普通にあったりします。 |
⑫ 山系の範囲が広めになっています
どこからどこまでをひとつの山系とするかは、人によって考え方が異なることもあるので、歴史的文化的視点はとりあえず脇に置いて、トレナビではあくまで地形的視点から「水系で分断されていない稜線でつながる山々をひとつの山系とみなす」という広義の解釈のもとに山系に属する山々を選んでいます。そのため一般的な認識よりも広範囲の山々を選んでいることが多いと思われます。ただし例外もあります。ひとつ申し上げておきたいのは、Wikipediaに「○○山系に属する山」で取り上げられている山だけが必ずしも○○山系というわけでもない、ということです。こうした「山系」に関する認識は、「正しい」「正しくない」の2分法で判断がつくようなことでもなく、割と緩い認識に過ぎないといえばわかりやすいでしょうか。
⑬ すべての山系を取り上げていません
もちろん各都道府県の主要山系は取り上げていますが、マイナーな山系については省略させて頂いていることが多いです。マイナーな山系は規模が小さく、山系の登山口として掲載するよりも、山単独の登山口として掲載しておく方がわかりやすかったりします。重要なのは、利用者のみなさんが目的の山を選択できることであり、以上の理由から地元の人しか知らない山系で無理に分けても、情報需要はそれほど高くないと考えます。
⑭ 山名リストには、登山道がない山や登山対象にならない山も入っています
トレナビの山名リストには、登山道がない山(ヤブコギを要する山、積雪期や残雪期しか登れない山)、地味過ぎて登山対象にならない山、あるいは私有地等の理由により登山対象にできない山も含まれています。山は「誰でも入ってよい」公共的な土地と勝手にみなされていることがよくありますが、実は意外と民有地や私有地だったりします。「立入禁止」看板が立っておらず、一般的に利用されている登山道があれば、土地所有者が許容しているのだろうとみなせますが、すべての山が誰でも登ってよいとは限りません。「立入禁止」看板がある私有地の山に勝手に登ったりすると、トラブルにつながる可能性があります。これは森林管理署等の林道管理者が「通行しても黙認するが、何か事故があっても責任はとらないよ」という意志表示で林道入口に立てている「一般車通行禁止」看板とはまったく性質が異なる「立入禁止」であると認識しておくべきです。
以上のことは自然探勝地についても同様です。トレナビで紹介する自然探勝地は、真本的には「歩いて行けるコース」で「立ち入りが制限されていない」ことを基本方針として選んでいますが、市街地にある巨樹・巨木のように起点と呼ぶ場所が存在しないこともありますし、そこが私有地だったりすることもよくあります。そのほかトレナビの選定にも例外がいろいろあります。自然探勝地アイコンの周囲に起点を示すアイコンがない場合はコースも存在しない可能性が高いことになります。また調査時は立ち入りが制限されていなくても、土地所有者がその後「立入禁止」の意志表示をして状況が変わったようなこともあるかもしれません。
またいうまでもありませんが、山でも自然探勝地でもコースの難易度はさまざまです。トレナビでご紹介する登山口や自然探勝地入口から続く道は、ファミリー向けの遊歩道から上級者向きの難関コースまで混在しています。
山の場合は登山の可否、自然探勝地の場合は立ち入りの可否、コースのレベル程度については別途、利用者ご自身で確認して下さい。
⑮ アイコンが重なっていないか、ご確認下さい
例えば駐車場の横にトイレがあるような場合。地図が広範囲のスケールだと、ふたつのアイコンが重なって、一方を隠してしまうことがあります。駐車場のアイコンしか見えないと「この駐車場にはトイレはないんだ」と思いがちですが、念のため地図を拡大してみて下さい。アイコンが重なってトイレのアイコンを隠しているかもしれません。
⑯ トイレアイコンがあっても、使えない可能性も
ひと昔前と比べると、掃除が行き届いた、きれいなトイレが増えていますが、例外はいくらでもあります。とても使う気にならない汚いトイレ、あるいは夜間は施錠されて日中の時間しか開いていないトイレ、故障中で閉鎖されたトイレ…。トイレのアイコンを見つけて行ってみたら使えなかった…という可能性はあります。
トレナビはマナーを守る常識的な登山者や自然探勝愛好家のみなさんだけがご利用頂けます
1990年代末頃、日本の登山人口は300万人とされていましたが、その後、どんどん増えて近年では800万人とも1300万人ともいわれています。日本のスポーツの中で唯一増えているのが登山人口だそうです。この現状は、同時に「登山者の劣化」「山岳界の劣化」という結果を生んでいます。
本会は長年に渡って登山口調査をして来ましたが、以前はほとんどなかった「登山者に対する風当り」が強くなっているように感じます。ある市の観光課からは「非常識な問い合わせや要求をしてくる登山者が多くて困っている」といわれたり、山の秘湯オーナーから「中高年登山者のマナーがあまりに悪いので、登山者に立ち寄り湯利用してほしくない」といわれたり。似たような声をあちこちで聞きます。そんな人たちが自然環境に配慮をした行動をとれるとは思えません。マナーと常識がある人には、オーバーユースに注意しながらも日本の自然環境の素晴らしさを満喫してほしいし、山や自然にもっともっと親しんでもらいたいと思います。それが日本の自然環境を良好に保つ上では、長期的にはプラスに作用するだろうと考えるからですが、同時にマナーが悪い登山者、非常識な登山者には山の世界からとっとと退場して頂きたいですね。トレナビは「金儲けのためならいうべきこともいわない」似非自然愛好家とは一線を画したいと思います。マナーを守り、自然環境の保全を第一に考えられる人だけがトレナビをご利用頂けます。そうでない方の利用はお断りします。
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以上の事例等により、利用者が時間的経済的な損失を受けるなど、なんらかの不利益を被る事態があったとしても、トレナビは一切責任を負いません。それを承諾した上でトレナビの位置情報を利用することに同意しますか? また自然環境に配慮をした行動をとることに同意しますか? |
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